自分には社交性などないものだと思っていた。持って生まれた性格でどうにもならないものだと半ばあきらめていた。高田先生が常におっしゃっている「仲のよい友人数人と自分の興味の範疇でしか生きていない。」そんな若者の典型だった。

「新聞記者になりたい」夢だけは一人前だった。ない頭を振り絞って書いた作文は毎回、塾仲間や高田先生から徹底的に添削され返って来た。合宿などの模擬面接では中途半端な志望動機や自己PRを情け容赦なく突っ込まれた。「なぜ新聞記者になりたいのか」何度も自問自答を繰り返した。

後先考えず突き抜けた数ヶ月を今、振り返ってみると私が高田先生から学んだことは数え上げればきりがない。作文や面接のテクニックはもちろんだが、ひとつ挙げるとすれば間違いなくsocial skillと言える。社交性という言葉を和英辞典で調べてみると“social skill”とある。日本語でいう性格ではなくskill、つまり訓練によって身につく技術なのだ。それに気付かせてくれたのが高田先生であり、高田塾はいわば訓練所だった。

受け身のままでは何も変わらないし、身につかない。ただ本気で変わろうとする人間には高田先生は本気でぶつかってきてくれる。そんな訓練所で同じ夢を持った仲間たちと切磋琢磨し自分自身を成長させることが出来た。大学というぬるま湯にどっぷりと浸かった私にとって高田塾は本当に刺激的な場所だった。

もし、高田先生に出会っていなかったら今の私はなかっただろうと断言できる。初めてお会いし怒られた日、尻込みせず高田塾に入って本当によかったと思う。